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NGC1514 おうし座の惑星状星雲

NGC1514,Crystal Ball Nebula

NGC1514 おうし座の惑星状星雲

Takayuki Yoshida

NGC1514 おうし座の惑星状星雲

NGC1514は、天王星の発見で知られるウィリアム・ハーシェルが、 1790年に発見した惑星状星雲で、おうし座に位置しています。 視直径が約2分と小さな星雲ですが、比較的明るい星雲なので、 天体望遠鏡を使用すれば肉眼で姿を確認することができます。

デジタルカメラを使ってNGC1514を写真に撮ると、青っぽい色合いに写ります。 折り重なったような星雲の構造も興味深く、とても神秘的な天体だと感じました。 海外では「Crystal Ball Nebula」と呼ばれているようですが、星雲中心の恒星の輝きも鋭く、 確かにクリスタルのような輝きを感じさせてくれる惑星状星雲です。

今回は、惑星状星雲の構造をよりわかりやすく表現するため、L画像の撮影に、 アイダスのNBN-PVフィルターを用いました。 NBN-PVフィルターは、星雲が発する特定の波長の光を通すように設計されたフィルターで、 惑星状星雲のような複数の波長で輝く天体の撮影に向いています。 L画像にIR-Cutフィルターを用いた画像と比べると、星雲の構造をより明確に表現できたと思います。


Imaging information

撮影機材:ミューロン250CRS、レデューサー使用、ビクセンAXD赤道儀

使用カメラ:SBIG ST-2000XM、IDAS NBN-PVフィルター使用

露出時間:L=15分×8フレーム、RGB=各10分×1フレーム、総露出時間2時間30分

画像処理ソフト:ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2016年撮影