M97とM108銀河

M97,M108 Galaxy

M97とM108銀河

Takayuki Yoshida

おおぐま座のM97星雲とM108銀河

左下に写っている丸いM97は、大型の惑星状星雲で、丸い星雲の中に二つの目玉のような暗部があることから「ふくろう星雲」の 愛称があります。非常に淡い星雲ですが、大きな天体望遠鏡で見ると、ボヤッとした球状に見えてきて、その中に二つの黒い部分が あることがかすかにわかります。

左上の紡錘状の銀河がM108銀河です。この銀河は、1781年にメルシャンが発見したと言われており、メシエ天体に加えられました。 小さいですがエッジオンタイプの銀河で、写真に撮ると銀河の横を暗黒帯が走っているのがわかります。 ただ小さいので天体望遠鏡で観望しても、細長いシミのようにしか見えません。

おおぐま座のβ星の近くで輝くこの二つの天体は、惑星状星雲と系外銀河という異なった種類がとても近くで輝いており、大変珍しい 組み合わせです。もちろん実際には、M97とM108は遠く離れていて、たまたま同じ方向に見えているだけです。 M97星雲は地球から1,800光年の距離ですが、M108銀河は、2,350万光年の遙か彼方で輝いている天体です。

この二つの天体は、同じおおぐま座で輝くM81とM82銀河と同じように、ペアで写されることが多い天体です。比較的短い焦点距離でも撮影を楽しめますので、 一眼レフデジカメで是非狙ってみてください。


Imaging information

撮影機材: タカハシε-160望遠鏡, タカハシEM200赤道儀

使用カメラ: SBIG ST-2000XM, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L:10分×8フレーム, RGB:各10分×2フレーム

画像処理ソフト: ステライメージ5, PhotoshopCS

撮影場所:兵庫県加東市社の森公園, 2006年撮影