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大マゼラン雲と小マゼラン雲

Magellanic Cloud

大マゼラン雲と小マゼラン雲

Takayuki Yoshida

大マゼラン雲と小マゼラン雲

ニュージーランドのテカポ湖で撮影した、大マゼラン雲(LMC)と小マゼラン雲(LMC)の写真です。 大小マゼラン雲は、我々が住む天の川銀河系に伴銀河で、日本からは見ることができない天体です。 南半球で夜空を眺めると、天の南極付近にちぎれ雲のように浮かぶ二つの天体が容易にわかります。 大きい方が大マゼラン雲で、もう一つが小マゼラン雲です。 光害の影響で空が明るいと見えなくなりますので、天の川が見える場所で観察したい天体です。

地球から大マゼラン雲までは約16万光年、小マゼラン雲までは約20万光年の距離があります。 いて座の楕円銀河SagDEGが発見されるまでは、太陽系に最も近い銀河と考えられていました。 どちらのマゼラン雲も形がはっきりしない不規則銀河ですが、文献によっては棒渦巻銀河に分類されることがあります。

写真の小マゼラン雲の左側に写っている明るめの星は、きょしちょう座のNGC104球状星団です。 肉眼でも恒星のように見える大きな球状星団で、双眼鏡を使うと星の固まりであることがわかります。 右の大マゼラン雲の中には、有名なタランチュラ星雲がうっすらと写っています。 IRフィルターを換装したデジタル一眼レフカメラで撮影しましたが、銀塩写真の頃と比べると、 タランチュラ星雲はそれほど赤く写らないようです。

北半球にはアンドロメダ大銀河という肉眼で見える系外銀河がありますが、 大小マゼラン雲はそれよりもずっと大きく見えて、双眼鏡を使えばはっきりとその姿がわかります。 北半球に住む天文ファンにとって、マゼラン雲はみなみじゅうじ座と同じくらい憧れの天体ではないでしょうか。

テカポ星空旅行記のページもご覧下さい。

Imaging information

撮影レンズ: シグマ 35mm F1.4 DG HSM レンズ

使用カメラ: キヤノンEOS60D(IRフィルター換装)

露出時間: 300sec×8コマ, F2.8, ISO800

撮影方法: ユニテックSWAT-200にて追尾撮影

撮影場所: ニュージーランド レイクテカポ