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アンタレス付近の星雲群

Antares Nebula,Rho Ophiuchi cloud complex,M4

アンタレス付近の星雲群

Takayuki Yoshida

アンタレス付近の星雲群

さそり座のα星アンタレスの周囲に広がる色鮮やかな星雲を、 冷却CCDカメラとビクセンの明るい望遠鏡、アストログラフ VSD100 F3.8で撮影しました。 焦点距離380ミリのVSD100と35ミリフルサイズのデジタル一眼を組み合わせた場合は、 少々窮屈な画角になってしまいますが、使用した冷却CCDカメラはセンサーサイズが大きいため、 結果的にちょうど良いバランスで星雲が構図に収まりました。

冷却CCDカメラでアンタレス付近を撮影したのは、久しぶりです。 デジタル一眼レフカメラの画像と比べると、調子の滑らかさや淡い部分の階調は、 冷却CCDカメラの方が一段優れているように感じました。 ただ、アンタレス付近は南中高度が低く、撮影できる時間帯が短いため、 じっくりとLRGB画像を撮影していると時間が足りなくなってしまいます。 そのため、RGB画像は1枚ずつしか撮影できませんでした。

夏の南天には数多くの天体が輝いていますが、アンタレス付近の星雲は、天体写真ファンにとって特別な存在です。 アンタレス付近の星雲群を色鮮やかに撮影することを目標にしている方も多いのではないでしょうか。 アンタレスの南中高度は、約28度(大阪市)と低く、日本からは撮影条件が厳しい被写体です。 その条件の中で、いかに透明感のある写真に仕上げるかが、また面白いところなのだと思います。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀 にて追尾

使用カメラ:FLI製 PL-16803 冷却CCDカメラ、Astrodon LRGBフィルター

露出時間: L画像=60分(15分×4)、Red画像=Green画像=Blue画像=10分×1
総露出時間 1時間30分

画像処理ソフト: ステライメージ8PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2019年撮影