雲海の朝

Foggy Morning

雲海の朝

Takayuki Yoshida
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雲海の朝

八塔寺に星の撮影に行った6月1日は、午後20時頃まで強い雨が降り続いていました。夜がふけるにつれて晴れてきたのですが、 夜半頃にはガスが辺り一面を覆い尽くしてしまいました。 薄明が始まって明るくなると、そのガスが東側の盆地で雲海を作っていました。星空は楽しむことができませんでしたが、 美しい雲海を見ることができました。

雲海は、山間部などで湿度が高く、風が無風に近いときに、空気が放射冷却によって冷やされると起きやすい現象だと 言われています。また土地が盆地のような形状だと、空気がその場にとどまり続けて、より大きな雲海が発生するそうです。 この日の朝は、ちょうどそうした条件にマッチしたのでしょう。今まで八塔寺で見た中で、一番濃くて大きな雲海でした。

八塔寺は標高がせいぜい400m程度の高地なのですが、こうして雲海に浮かぶ遠くの山並みを見ていると、 標高何千メートルもの高さに自分が立っているような錯覚を覚えます。 雨が多くて湿度が高い日本の夜空は嫌になってしまいますが、こうして綺麗な雲海が見れるのは日本の気候があってこそなの でしょう。ビルやマンションが建ち並び、空気が乾燥してしまった都会では見れなくなった美しい日本の風景ですね。

キャノンEOSKissデジタルXにて撮影