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クワガタ星雲 〜 洞窟星雲にかけて

M52,NGC7635,Sh2-155,Sh2-157

クワガタ星雲 〜 洞窟星雲にかけて

Takayuki Yoshida
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クワガタ星雲 〜 洞窟星雲にかけて

明るい望遠レンズを使って、ケフェウス座とカシオペア座の星座境界線付近に輝く、散光星雲群を撮影した写真です。 写真中央左寄りに、小さな星の集まりが写っていますが、これが、カシオペア座に位置するM52散開星団です。 M52星団は、自動導入時のターゲットや、この星域を写すときのよい目印になります。

M52のすぐ右下には、「しゃぼん玉星雲」の愛称で知られるNGC7635が写っています。 クワガタ星雲(Sh2-157)は、NGC7635の右下に写っている大きな星雲で、赤い星雲の形がクワガタのように見えることから、この愛称で呼ばれています。 洞窟星雲(Sh2-155)は、写真中央右上に写っている星雲です。 赤い散光星雲の中央に暗黒星雲が位置していて、文字通り洞穴のような形をした天体です。

この作品は、開放F値が明るい中望遠レンズ「キヤノン EF200mm F2L IS USM」と冷却CCDカメラを使って撮影しました。 明るい光学系のおかげで、暗い望遠鏡では写りにくい黄色っぽい星雲や、星雲の微妙な色合いが表現できたと思います。 画角が広いので、個々の星雲を写す際のファインディングチャートとしても便利な一枚になりました。

ところで、この星域は様々な形をした散光星雲や暗黒星雲が存在していて、天体写真ファンには魅力的な領域ですが、 天の川の中に位置しているので微恒星が多く、星雲と星々の表現のバランスが難しい領域だと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ビクセンSXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ

冷却CCD用LRGBフィルター:Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=5分×8枚、RGB=各5分×4枚

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2020年撮影