M78 〜 LDN1622の星雲

M78,LDN1622,NGC2068

M78 〜 LDN1622の星雲

Takayuki Yoshida

オリオン座 M78 から LDN1622 にかけての星雲群

M78星雲は、オリオン座三ツ星の左上で輝いている反射星雲で、写真右下に青く写っている天体です。 M78は、1780年にフランスのピエール=メシャンによって発見され、メシエ天体に加えられました。 M78星雲の見かけの明るさは8等級なので、肉眼では見えませんが、 口径5センチ程度の双眼鏡を使用すれば、星雲の姿を確認できます。

LDN1622は、写真の左上に写っている暗黒星雲で、立体感のある独特の形状が魅力の天体です。 LDN1622のことを「いるか星雲」と呼ぶ天文ファンもいて、天体写真の被写体として人気が出てきました。 M78とLDN1622の間を斜めに横切るように赤く写っているのが、オリオン座バーナードループの一部です。 バーナードループの中でもこの星域の部分は特に明るく、標準レンズでもよく写ります。

焦点距離380mmのアストログラフ「ビクセンVSD100 F3.8」を使用して、 M78とLDN1622を画面に収めましたが、APS-Hサイズの冷却CCDカメラを使用したこともあり、 少々窮屈な画面構成になりました。 レデューサーを使って焦点距離300ミリで撮影するか、一回り大きなセンサーのカメラを使用した方が、 全体のバランスは良さそうに思います。

ビクセンVSD100F3.8で久ぶりに冬の星雲を撮影しましたが、気温変化が大きな夜にも関わらず、 ピントの温度変化が少なく助かりました。 星像自体も画面最周辺までシャープで気持ちよく、 周辺減光も少ないのでフラット補正をはじめとした画像処理が楽でした。 製造が終了してしまいましたが、VSD100F3.8は扱いやすい鏡筒だと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:ビクセン VSD100 F3.8 鏡筒

望遠鏡架台:ビクセンSXP赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ

冷却CCD用LRGBフィルター:Chroma Technology LRGB フィルター使用

露出時間:L=10分×8枚、RGB=各10分×2枚
(総露出時間 2時間20分)

画像処理ソフト:ステライメージ9、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2021年撮影