はくちょう座の網状星雲

Veil Nebula in Cygnus

はくちょう座の網状星雲

Takayuki Yoshida

はくちょう座の網状星雲

網状星雲は、はくちょう座ε星の近くで輝く散光星雲です。 網状星雲は大きく東西の2つの部分に分かれており、デジタル一眼レフカメラで撮影すると、 星雲の明るい部分が、平仮名の「い」の形のように写ります。 上の写真には、星雲の淡い部分も写っていますが、星雲の東側部分と西側部分に着目すると、 星雲がやや右に傾いた「い」の形をしているのがわかります。

網状星雲は、約2万年前に、太陽の約25倍もの質量のある大きな恒星が爆発したときの残骸だと考えられています。 肉眼では見ることはできませんが、口径の大きな双眼鏡や望遠鏡を使うと、 星雲の明るい部分を確認することができます。 また、コントラストを上げる眼視用の干渉フィルターを使えば、 星雲の絡まった様子を楽しむことが出来ます。

今回の撮影には、天体撮影用の明るい反射望遠鏡、タカハシε-180EDとデジタル一眼レフカメラを使用しました。 焦点距離500ミリのε-180EDの縦構図では、全体が入らないため、カメラマウントを90度回転して横構図で撮影しました。 星雲の淡い部分は切れてしまいましたが、網状星雲全体の様子がわかる作品に仕上がったと思います。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ ε-180ED

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D フィルター換装・冷却改造モデル)

赤道儀:ビクセンAXD赤道儀にて追尾、ステラショット、M-GENにてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、
RAWモード、IDAS UIBAR-Vフィルター

露出時間:180秒×12コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2018年撮影