オリオン座三ツ星付近

Orion's Belt and Nebulosity,NGC2024,IC423,IC426,IC434,LBN935

オリオン座三ツ星付近

Takayuki Yoshida

オリオン座三ツ星付近

写真中央に斜め一列に写っている3つの星が、オリオン座の三ツ星です。 三ツ星は2等級と明るいので、都会の明るい夜空でも確認することができます。 三ツ星には、左から「アルニタク」、「アルニラム」、「ミンタカ」という固有名が付けられています。 固有名の由来となったアラビア語では、帯や紐を意味する言葉なので、オリオン座のベルトに位置する星としてはぴったりの名称です。

オリオン座の三ツ星付近を代表する星雲と言えば、写真の左下に写っている馬頭星雲でしょう。 馬の頭の形をした暗黒星雲の後ろに屏風のような赤い星雲が広がり、大変美しい星雲です。 それと比べると小型ですが、アルニラムの周りにも青っぽい反射星雲が存在しています。 色合いが豊富で、この反射星雲だけクローズアップしても興味深そうです。

作例の撮影には、F値が明るい屈折望遠鏡「ビクセン VSD100 F3.8」とデジタル一眼レフカメラを用いました。 明るい星が三つも構図内に入るため、ゴーストや輝星周りのハロが懸念されましたが、幸い問題は発生しませんでした。 VSD100望遠鏡には、ビクセンが開発した天体望遠鏡用の特殊コーティングが施されているので、 ゴーストが発生しにくかったのかもしれません。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀にて追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、RAWモード

露出時間:300秒×16コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2018年撮影

星ナビ 連載記事「宇宙は美しい」 2020年1月号 掲載作品