NGC7000

NGC7000,Caldwell 20,IC5067-5070

NGC7000,IC5067-5070

Takayuki Yoshida

NGC7000、北アメリカ星雲

NGC7000は、北アメリカ星雲の愛称で知られている散光星雲で、はくちょう座に存在しています。 写真の右上に写っている輝星が、はくちょう座のα星のデネブです。 デネブは一等星なので、夜空でよく目立ち、星雲を探すときのよい目印になります。 自動導入機能がない望遠鏡の場合は、デネブを画面に入れてから、構図を微調整するとよいでしょう。

写真に撮ると大変鮮やかなNGC7000ですが、その周囲に広がる星雲を含め、これらの星雲は肉眼ではほとんど見えません。 そのため、天体観望対象としては紹介されることは希で、天体写真の被写体として知られています。 写真では比較的簡単に写るので、銀塩フィルムの頃から天体撮影の被写体として人気がある天体です。

この作品は、ビクセンの天体望遠鏡「FL55SS」で撮影しました。 口径55ミリというコンパクトな望遠鏡ですが、対物レンズにフローライトレンズが用いられており、 フラットナーHDやレデューサーレンズを併用した天体写真撮影用として評価の高い鏡筒です。 周辺光量が豊富な光学系のため、フラット補正を行なわず画像処理しています。 また、使用したIDAS HEUIB-IIフィルターの影響で、NGC7000の彩度が高くなりすぎたため、若干赤の彩度を落として仕上げています。

このNGC7000の写真は、2019年に撮影した作品です。 2019年は夏から秋にかけて天候が不安定で、晴天に恵まれませんでした。 北アメリカ星雲やペリカン星雲付近の星雲は、毎年秋口になると、様々な光学系で撮影を楽しむのですが、 今年はこの作品が唯一の写真になりそうです。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン FL55SS、フラットナーHD使用

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀にて追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、RAWモード、IDAS HEUIB-IIフィルター

露出時間:480秒×4コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2019年撮影