アイリス星雲


ケフェウス座のNGC7023、アイリス星雲

アイリス星雲(NGC7023)は、五角形をしたケフェウス座に位置する反射星雲です。 ケフェウス座の星雲といえば、IC1396が有名ですが、アイリス星雲は、IC1396よりも若干西側に位置しています。 秋の天体の中でも早く南中するため、アイリス星雲をじっくりと撮影するなら、晩夏から初秋に撮影するのが良さそうです。

英語のアイリス(Iris)には「植物のアヤメ」と「眼の虹彩」と二つの意味があります。 アイリス星雲の愛称は「虹彩」が由来という意見が多いようですが、 星雲の青い色彩を見ていると、花開いたアヤメのようにも見えてきます。

地球からアイリス星雲までの距離は、約1300光年と考えられています。 星雲は若い恒星に照らされて、青色に輝いています。 星雲の中心部は明るく、大口径の望遠鏡を使えば眼視でも確認できますが、周囲に広がる分子雲は非常に淡く、 写真でないと表現できません。 青く輝く中心部と共に、うねるようなガスの流れが興味深く感じられる天体です。

アイリス星雲の撮影には、口径13センチのTOA-130屈折望遠鏡とモノクロCMOSカメラを使用しました。 フラットナーレンズを使用したため、合成F値が7.6と若干暗かったのですが、枚数を重ねることで比較的滑らかに仕上げることができました。 なお、アイリス星雲は夏に撮影したかったのですが、今年は天候が悪く、9月末になってようやく撮影することができました。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシ TOA-130望遠鏡、TOA-645フラットナー使用

望遠鏡架台:ビクセンAXD赤道儀にて追尾

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:Chroma社 LRGBフィルター使用

露出時間:L=400秒×16枚、R=G=B=各400秒×4枚、総露出時間:約3時間33分

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2022年9月撮影