ピッカリングの三角形 網状星雲

NGC6960,NGC6979,NGC6974,Pickering's Triangle

ピッカリングの三角形 網状星雲

Takayuki Yoshida

網状星雲 ピッカリングの三角形

はくちょう座で輝く網状星雲の西側部分を捉えた写真です。 網状星雲は、 約2万年前に、太陽の約25倍もの質量のある大きな恒星が爆発したときの残骸だと考えられています。

写真の右端に写っている明るい星は、4.2等星のはくちょう座52番星です。 この恒星と重なるように存在している星雲がNGC6960で、その形から「糸状星雲」や「魔女のほうき星雲」等と呼ばれています。 NGC6960の左側に、三角形を逆にしたような形の星雲がありますが、 この部分には、ピッカリングの三角形(Pickering's Triangle」とい愛称が付けられています。

網状星雲の撮影には、口径10センチのフローライト2枚玉屈折望遠鏡「タカハシFC-100DZ」を使用しました。 FC-100DZには、天体撮影用のレデューサーレンズを取り付け、冷却CMOSカメラ ASI2600MMProで撮影を行いました。 望遠鏡を載せる架台は、2022年に発売が開始されたZWO社の波動赤道儀「AM5」を使用しました。 今回の撮影が初めての本格使用でしたが、特にトラブルなく撮影を行うことができました。

撮影した画像は、ステライメージ9等を使用し、ナローバンド画像とブロードバンド画像を重ね合わせて仕上げました。 ナローバンドとしては短めの露光時間だったため、少々ノイズ感は残っていますが、 星像もシャープで星雲のディテールもよく写ったと感じています。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシFC-100DZ、FC-35レデューサー×0.66使用

望遠鏡架台:ZWO AM5赤道儀、ASIAIRにてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:Chroma社 LRGB、SII、Hα、OIIIフィルター使用

露出時間:LRGB=180秒×3枚、SII=Hα=OIII=300秒×6枚

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県篠山市、2022年8月撮影