IC443

IC443,Supernova Remnant,Jellyfish Nebula

IC443

Takayuki Yoshida

ふたご座 IC443

IC443は、ふたご座のη星付近に広がる淡い星雲です。 IC443は、昔、大質量の恒星が爆発した後に残った超新星残骸と考えられており、写真に撮ると赤っぽく写ります。 HII領域の光を通すナローバンドフィルターを使うと、フィラメントのように広がるガス部分がはっきりと写り、 その星雲の形から「クラゲ星雲(Jellyfish Nebula)」とも呼ばれています。

IC443は淡いため、天体望遠鏡を使っても肉眼で確認するのは困難で、写真向きの天体と言えます。 今回は、タカハシTOA-130望遠鏡と冷却CMOSカメラを用いて撮影しました。

撮影には、HαとOIII領域の波長の光だけを通す、アイダスNBZフィルターを用いました。 IC443を写すと、明るい恒星(η星)がもれなく写ってきますが、コーティングが改善されたNBZフィルターのお陰で、 輝星回りのハロやゴーストは発生しませんでした。

ふたご座が西空に傾いてからの撮影開始だったため、 合計5枚のみしか撮影できませんでしたが、思っていたよりも滑らかに仕上がりました。 なお、作品はブロードバンド画像を混ぜていない、NBZフィルター画像のみを処理した写真です。 星の色合いもそれほど違和感がなく仕上がったと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシ TOA-130、TOA-35レデューサー0.7×使用

望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ、アイダスNBZフィルター使用

カメラの設定:センサー温度 -10℃、ゲイン 100、オフセット 50、1×1ビニング

露出時間:600秒×5コマ (総露光時間:約50分)

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市吉永町八塔寺、2022年撮影