うみへび座銀河団

Hydra Cluster,Abell 1060

うみへび座銀河団

Takayuki Yoshida

うみへび座銀河団

うみへび座銀河団(Abell 1060)は、うみへび座のほぼ中央に位置する銀河団で、ダークマター(暗黒物質)が多いエリアとして知られています。 地球からの距離は約1億5千万光年です。本州付近での南中高度は30度前後と低く、南天の視界の悪い場所では見づらい天体です。

写真では小さな系外銀河が数多く写っています。 比較的大きいのが、中央に写っている渦巻銀河NGC3312と、その右側に位置している楕円銀河NGC3309とNGC3311です。 昔、オーストラリアのサイディングスプリング天文台にあるアングロオーストラリア望遠鏡(AAT)で撮影されたNGC3309付近の写真を見たことがありますが、 明るい星と銀河の姿が美しい写真でした。 長焦点望遠鏡でこの付近をクローズアップしてみるのも面白いと思います。

今回は、うみへび座銀河団の全体の様子をとらえるため、 口径160mmの反射系アストログラフ「タカハシε-160ED」と冷却CMOSカメラを用いて撮影を行いました。 南方向が明るい撮影地のため、光害によるカブリ処理が面倒でしたが、小さな銀河が画面一杯に写真に仕上げることができました。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシε-160ED

望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀、ASIAIRにてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

露出時間:300secX12枚、総露出時間:60分

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2023年2月撮影