NGC5139 オメガ星団
- Previous Photo: バット星雲(IC2944)とNGC3766
オメガケンタウリ、オメガ星団
オメガ星団(オメガケンタウリ、ω星団)は、ケンタウルス座に位置する全天最大級の球状星団です。 視直径は約23分角と非常に大きく、見かけの等級は5.3等級と明るいため、理想的な星空環境なら肉眼でも確認できます。球状星団の中でも特に巨大で、1千万個程度の星が集まっていると推定されており、他の球状星団とは一線を画す天体です。
しかし、赤緯-47度と南天に位置するため、日本からの観測は非常に困難です。東京での南中高度は約7度しかなく、低空の靄や雲の影響を受けやすいため、クリアに観測するのは難しいでしょう。 沖縄など南の地域では条件が良ければ見えることもありますが、それでも厳しい条件です。
一方、オーストラリアや南米では天頂付近に輝くため、非常に鮮明に観察できます。 今回、オーストラリアで口径5cm、倍率18倍の双眼鏡を使って観望したところ、ボール状の星の集まりがはっきりと確認できました。 さらに口径10cm、倍率150倍の望遠鏡では、視野いっぱいに無数の星が広がり、息をのむ美しさでした。
撮影には口径10cmの2枚玉フローライトアポクロマート望遠鏡と冷却CMOSカメラを使用しました。 飛行機での機材運搬は大変でしたが、その甲斐あって、細部まで鮮明に捉えることができました。 画像には、球状星団特有の密集した星々が写り、まるで宇宙に輝く宝石にも感じます。 機会があれば、ぜひ南半球でオメガ星団を観望してみてください。 双眼鏡でも十分に楽しめますが、大口径の望遠鏡を使うと、無数の星々が織りなす壮大な光景を存分に味わえると思います。
Imaging information
撮影光学系:タカハシFC-100DF、FC/FSマルチフラットナー1.04×使用
使用カメラ: ZWO社 ASI2600MMPro
露出時間:L=R=G=B=各180sec×5コマ(総露出時間:1時間)
撮影方法:AM5赤道儀とASIAIRにて自動追尾撮影
撮影場所:オーストラリア ケアンズ郊外、2024年7月撮影