Sh2-1とSh2-7
Sh2-1,Sh2-7
Takayuki Yoshida
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さそり座頭部の星雲、Sh2-1とSh2-7
さそり座の星雲と言えば、アンタレス付近の色鮮やかなガスが有名ですが、 さそり座の頭部にも淡い星雲が広がっていることが知られています。 これらの淡い星雲には、シャープレスのSh番号が振られていて、 上の写真には、「Sh2-1とSh2-7」が写っています。
Sh2-1、Sh2-7共に非常に淡い星雲のため、肉眼では確認することができず、 デジカメの元画像でも存在がよくわかりません。 しかし、星雲の近くに明るい星が輝いているため、構図合わせは比較的簡単です。 写真の中で最も明るく輝いている、左上の星がさそり座δ星で、 その周りに広がっている赤い星雲が、Sh2-7です。
一方、写真中央下寄りに写っている星がさそり座π星で、その周囲の赤い星雲が、Sh2-1です。 赤い星雲の周りには、青っぽい色をした星雲が広がっています。 特にSh2-1付近の星雲の構造は興味深く、この部分だけをクローズアップ撮影しても面白そうです。
この写真は、開放F値の明るい中望遠レンズと、天体撮影用にフィルター改造したデジタル一眼レフカメラ、 キヤノンEOS60D(ASTRO60D)を使って撮影しました。 また、今回は、赤い星雲の写りを向上させるため、IDAS HEUIB-IIフィルターを使用しました。 撮影時間の関係で、撮影枚数を稼げませんでしたが、より多くの枚数をコンポジットできれば、 より滑らかな作品に仕上がるでしょう。
Imaging information
撮影光学系: キヤノンEF200mm F2L IS USM
撮影カメラ: Astro60D(キヤノンEOS60Dの天文用フィルター換装・冷却改造モデル)
フィルター: IDAS HEUIB-IIフィルター使用
赤道儀: タカハシP-2Z赤道儀、AMD-1モーターにて一軸オートガイド追尾
カメラの設定: ホワイトバランスプリセット、F2.5、ISO800、RAWモード
露出時間: 300秒×16コマ
画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ7、PhotoshopCC 2014
撮影場所: 奈良県吉野郡野迫川村、2014年撮影