IC1805とIC1848

IC1805、IC1848

IC1805とIC1848

Takayuki Yoshida

IC1805とIC1848

カシオペア座の周辺には、散開星団や輝線星雲が多数存在していますが、 IC1805とIC1848は、その中でも大型で、秋を代表する星雲の一つとして知られています。 IC1805は、右側の赤い星雲で、歪んだハートの形をしていることから、「ハート星雲」の愛称で知られています。 一方、左側に写っているIC1848は、頭を左側に向けた胎児のような形に見えることから「胎児星雲」と呼ばれることがあります。

赤い星雲ですので、Hα光で輝く輝線星雲を強調するフィルター(HEUIB-II等)を用いると、 淡いガス部分のコントラストがより高まりますが、 IC1848の青っぽい部分が写りづらくなってしまいます。 そこで、今回は、UIBAR-Vフィルターを用いて撮影を行いました。 ナローバンドフィルターでの撮影でも人気がある領域ですので、 様々なフィルターを使って撮影してみるのも面白い星域だと思います。

作例の撮影には、フルサイズのデジタル一眼レフカメラとコーワのテレフォトレンズ、PROMINAR 500mm F5.6Lを用いました。 APS-Cサイズのデジタルカメラなら、焦点距離200ミリの望遠レンズを使えば、ほぼ同じ構図で二つの星雲を捉えることができます。 200ミリレンズなら、ポータブル赤道儀に載せて撮影を気軽に楽しめるので、 是非一度撮影されてみてはいかがでしょう。


Imaging information

撮影光学系:コーワ PROMINAR 500mm F5.6 FL (マウントアダプター TX07使用, 350mm F4)

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀 にて追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO1600、RAWモード

露出時間:240秒×13コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2018年撮影