はくちょう座η星付近の星雲

NGC6888, Nebula surrouding Eta Cygni

はくちょう座η星付近の星雲

Takayuki Yoshida

はくちょう座η星付近の星雲

明るい望遠レンズと、IRフィルターを換装したデジタル一眼レフカメラで撮影した、はくちょう座の星雲写真です。 中央右寄りに写っている明るい黄色い星が、はくちょう座のη星です。 上の写真からはみ出ていますが、写真の左上にははくちょう座のγ星が輝いています。 γ星付近の星雲は、色鮮やかで撮影されることが多いのですが、η星付近はそれほど人気がないようです。

しかし、この付近は天の川の濃いところで、写真に撮ると微恒星がたくさん写ってくれます。 その中にベールのように広がる淡い星雲が広がっていますから、なかなか魅力的な被写体だと思います。 写真に写っている大きな暗黒帯も、画面を引き締めてくれています。 ところである本によれば、この暗黒帯を「北の石炭袋」と呼ぶと書かれていました。 南半球の石炭袋に掛けたものだと思うのですが、そういう呼び名があるのでしょうか。

この大きく淡い星雲の中には、三日月星雲と呼ばれるNGC6888が輝いています。 写真では左上に写っているのですが、私にはクラゲのように見えます。 また、η星のすぐ左にはSh2-101の番号が付けられた赤い星雲が写っています。 長焦点望遠鏡をお持ちでしたら、こうした天体をクローズアップしても面白いのではないでしょうか。

この星空の写真は、6コマをずらして撮影して、パソコン上でモザイク合成した作品ですが、 撮影時に構図取りに失敗したので、実際には4コマ分程度の写野しかありません。 天の北極に近づくにつれて、天空の歪みが大きくなりますから、モザイク合成する時は事前に良く計画しないといけませんね。


Imaging information

撮影レンズ: キャノンEF200mm F2L IS USM レンズ (F2.5にて撮影)

赤道儀: ビクセンSXP赤道儀, SBIG ST-iオートガイダーにて追尾

使用カメラ: キャノンEOS60D(IRフィルター換装/冷却), ISO1600, RAW

露出時間: 3分×4枚で撮影したものを6コマモザイク合成, IDAS LPS-P2フィルター使用

画像処理ソフト: ステライメージ6.5, PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市