おうし座の超新星残骸 Sh2-240

Sh2-240,Simeis147

Sh2-240

Takayuki Yoshida

Sh2-240、Simesis147

Sh2-240は、ぎょしゃ座とおうし座の境界線付近に存在する超新星残骸です。 見掛けの大きさは、約4度ほどもあり、とても大きな星雲なのですが、 非常に淡いため、撮影するのはとても難しい対象です。 しかしそのフィラメントが絡まる様がとても美しいので、銀塩フィルムが天体写真撮影の主流の頃から、 様々な機材を使って撮影されています。

今回は、F値の明るい屈折望遠鏡と冷却改造されたデジタル一眼レフカメラ、 それにHα光のコントラストを向上するHEUIB-IIフィルターを用いて、この淡い星雲の撮影にチャレンジしてみました。 非常に淡い星雲のため、カメラの液晶モニターに表示された画像では星雲の存在は全く分からず、 PC上の画像処理ソフトで強調してはじめて画面に浮き出てきました。

以前、自宅からHαナローバンドフィルターと冷却CCDカメラを用いて撮影したSh2-240の写真と比べると、 ブロードバンド撮影のため、星雲のコントラストが若干低めですが、 超新星残骸の特徴とも言えるフィラメントの絡み合う様子を、カラーで表現することができました。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8、V0.79レデューサー使用

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D 天体用冷却改造カメラ)

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀、ステラショット1.5にて導入・オートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1000、RAWモード、HEUIB-IIフィルター

露出時間:300秒×32コマ

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影