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エリダヌススーパーバブル Sh2-245

Sh2-245、Orion-Eridanus Super Bubble

Sh2-245

Takayuki Yoshida

オリオン エリダヌス スーパーバブル Sh2-245

Sh2-245は、おうし座からエリダヌス座に渡って広がる淡い星雲で、 大昔に超新星が爆発したときの残骸だと考えられています。 Sh2-245は非常に大きな星雲で、オリオン座と同じくらいの大きさがあります。 オリオン座の周囲に広がるバーナードループと関連性があると考えられており、 オリオンーエリダヌススーパーバブルとよく呼ばれます。

今回、初めて、Sh2-245の撮影にチャレンジしてみました。 撮影に使用したのは、F値の明るい屈折望遠鏡と、冷却改造されたデジタル一眼レフカメラです。 また、Hα光のコントラストを向上させるため、アイダス社のHEUIB-IIフィルターを用いました。

最初は星雲の位置を確認するためのテスト撮影のつもりだったのですが、 撮影した画像を現地で軽く画像処理してみると、赤い星雲が浮かび上がってきました。 そこで、構図をずらして3写野撮影し、パソコン上でモザイク合成して、一枚の作品に仕上げました。 大きな星雲ですので全体を入れることはできませんでしたが、画面を縦に走る赤い星雲が印象的な一枚に仕上がりました。

Sh2-245は淡いと言われますが、撮影前に予想していたよりは明るく、写しやすい星雲だと感じました。 ただ赤い星雲の周囲に広がる星間ガスの流れはとても淡いので、この部分まで滑らかに仕上げようと思えば、 相当な撮影枚数が必要になると思います。 じっくり撮影するチャンスがあれば、淡い星雲部分を滑らかに仕上げてみたいと考えています。

なお、Sh2-245の位置ですが、写真の中央上部に写っている輝星が、 おうし座のν星ですので、この星を目印にすると構図を決めやすいと思います。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8、V0.79レデューサー使用(焦点距離300mm)

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D 天体用冷却改造カメラ)

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀、ステラショット1.5にて導入・オートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1000、RAWモード、HEUIB-IIフィルター

露出時間:300秒×8コマ、3写野モザイク合成

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影