しし座の三つ子銀河

M65、M66、M3628

しし座の三つ子銀河

Takayuki Yoshida

しし座 三つ子銀河

しし座は「ライオン」の形をした春を代表する星座の一つで、 ライオンの後ろ脚の付け根に付近に、三つの系外銀河、M65、M66、M3628が輝いています。 この三つ系外銀河は、それぞれに特徴ある形が興味深く、 「しし座の三つ子銀河」や「しし座のトリオ銀河」の愛称で、天文ファンに親しまれています。 地球からしし座の三つ子銀河までの距離は、約3000〜3500万光年と考えられており、同じ銀河グループに属する系外銀河です。

写真に写っている三つの銀河の内、下側の明るい2つの銀河がM65とM66(右側がM65)です。 どちらもメシエ天体に選ばれている系外銀河で、青っぽい色合いのM66の方が若干明るく、視等級は8.9等、 黄色いM65は9.2等です。 一方、M65とM66の北に位置するNGC3628は、10.3等と暗く、小さな双眼鏡では位置を確認するのも困難です。 透明度の悪い夜は、口径の大きな天体望遠鏡を使っても姿を確認できないことがあります。

しし座の三つ子銀河の写真は、口径10センチの屈折望遠鏡ビクセンED103Sと、冷却CCDカメラを使って撮影しました。 ビクセンED103Sは、2004年に発売開始された天体望遠鏡ですが、デジタル対応SD改造(接眼ドロチューブの改造)を行った後、 SDフラットナーHDを取り付けると、35ミリフルサイズの最周辺部まで、シャープな星像を結ぶようになりました。 今回の冷却CCDカメラでの撮影でも、写野全域にわたって鋭い星像を結び、 口径10センチとは思えない解像度の高い画像を得られました。


Imaging information

撮影鏡筒:ビクセン ED103S(デジタル対応SD改造)、SDフラットナーHD使用

望遠鏡架台:ビクセンSXP赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ

冷却CCD用LRGBフィルター:Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=15分×8枚、RGB=各15分×2枚
(総露出時間3時間)

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2020年撮影