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北アメリカとペリカン星雲 SHOカラー

NGC7000, IC5067〜5070

北アメリカとペリカン星雲 SHOカラー

Takayuki Yoshida

北アメリカとペリカン星雲 SHOカラー

はくちょう座の北アメリカ星雲とペリカン星雲は、非常に大きくて写しやすいので、昔から天体写真ファンに親しまれている天体です。 残念ながら肉眼では見えませんが、50ミリ前後の標準レンズでもよく写り、この作品も200ミリの中望遠レンズで撮影しています。

通常は真っ赤に写る二つの星雲ですが、今回は特定の波長域の光だけを通す3種類のナローバンドフィルターを使用し、 それをRGBカラーに割り当てて、カラー化しているため、色豊富に写りました。

いわゆるSHOカラー合成(SAOカラー合成)と呼ばれている手法ですが、 色合いの調整方法が個人によって異なるため、作品によって色調が変わってきます。 今回の北アメリカとペリカン星雲の写真では、OIIIフィルターで得られた青色を前面に押し出し、今までにないような色表現を狙いました。

星雲自体の写りも、ナローバンドフィルターの効果で、淡い部分がよく写り、背景宇宙とのコントラストが向上しました。 この写真をみると、北アメリカ星雲とペリカン星雲は一つの大きな星雲で、暗黒星雲によって二つに分かれて見えているのがよくわかりますね。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ZWO AM5赤道儀、ASIAIRにてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス5度

露出時間:SII=Ha=OIII=180secX8枚(星像に使ったRGB画像は他の画像を使用)、Chroma社フィルター使用

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県峰山高原、2023年8月撮影