天体写真の世界 > 宇宙写真ギャラリー > 網状星雲西側と北西部分

網状星雲西側と北西部分

NGC6960,NGC6979

網状星雲西側

Takayuki Yoshida

網状星雲の西側と北西部分

網状星雲は、はくちょう座の翼の部分に広がる超新星残骸です。 星雲は中心から爆発したように広がっているので、大きく東と西の部分に分けられます。 この写真には、西側の部分と北西の部分が写っています。 写真の中に写っている明るい星は、はくちょう座の52番星で4.3等星です。この近くに広がっている網状星雲は、 NGC番号ではNGC6960番が与えられています。

そのNGC6960の少し左上に広がっているのが、網状星雲の北西部分です。この部分はNGC6979の番号が付けられています。 他の部分と比べると淡く、銀塩フィルム時代では写し出すことがなかなか難しい部分でした。 この写真では、そのNGC6979から南方向へ流れる網状星雲の淡い部分も写っています。

網状星雲は、赤と青色の星雲が絡まった様子が美しい星雲です。肉眼では天体望遠鏡を使ってもほとんど 見えませんが、ネビュラフィルターという特殊なフィルターを望遠鏡に 取り付けると、星雲の明るい部分は見ることができます。本当に美しい姿をしていますから、機会が あれば是非見てみてください。

この網状星雲は、ベール星雲、レース編み星雲とも呼ばれています。 この星雲自体は、約2万年前に重量級の恒星が爆発した名残です。網状星雲の地球からの距離は1600光年で、今でも 秒速100キロ程度の速さで膨張を続けています。


Imaging information

撮影機材: タカハシε250, ヘラクレス赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGB filters

露出時間: L=120分(10分×12),R=20min, G=20min, B=20min(RGB:2x2binned)
総露出時間: 3時間

画像処理ソフト: ステライメージ6, PhotoshopCS

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺, 2008年撮影