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NGC253 ちょうこくしつ座の渦巻銀河

NGC253、Sculptor Galaxy、Caldwell 65

NGC253 ちょうこくしつ座の渦巻銀河

Takayuki Yoshida

NGC253 ちょうこくしつ座の渦巻銀河

NGC253は、秋の南天で輝く系外銀河で、ちょうこくしつ座に属しています。 ちょうこくしつ座は、くじら座の南に位置しており、星座の面積は比較的広いのですが、4等級以下の暗い星ばかりで目立たない星座です。 星座自体も昔から存在していたものではなく、18世紀に天文学者のラカーユが新設したものです。 そのため馴染みが薄く、一般的に知られていない星座の一つです。

知名度が低い星座と異なり、NGC253銀河は、視直径が長辺方向で約27.5'もある立派な系外銀河で、秋を代表する天体の一つに数えられています。 NGC253は、南中高度が30度前後(大阪付近)と低いものの、視等級が約8等と明るいため、口径4センチ程度の双眼鏡を使えば、 紡錘形をした銀河の形がぼんやりとわかります。 天体望遠鏡を使用すれば、銀河の輪郭が更によく見え、口径の大きな望遠鏡を用いれば、銀河を走る暗黒帯の様子も確認することができます。 NGC253は、アンドロメダ大銀河と共に、秋の夜空で是非観望したい天体の一つでしょう。

NGC253の撮影には、口径25センチの天体望遠鏡「タカハシ Mewlon-250CRS」と35ミリフルサイズの冷却CCDカメラ「SBIG STL-11000M」を用いました。 撮影した夜は、11月には珍しく黄砂が観測された夜だったため、空は白く、南の低空の星は見えづらかったのですが、 気流が落ち着いていたため、NGC253を被写体に選びました。 良気流のお陰で銀河の暗黒帯の詳細などが写り、解像感の高いL画像が得られましたが、 RGB画像の写りが悪く、色合いが若干乏しくなってしまったのが残念です。

NGC253は、毎年撮影しようと思いつつ、悪天候などに阻まれて、なかなか望遠鏡を向ける機会に恵まれませんでした。 調べてみると、前回、NGC253を撮影したのは2005年のことでした。 その時に、BRC-250で撮影したNGC253の写真もギャラリーに掲載していますので、是非ご覧ください。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS

赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astrodon LRGB Gen2 I-Series Tru-Balance フィルター

露出時間: L画像=60分(15分×4)、Red画像=10分×2、Green画像=10分×2、Blue画像=10分×2
総露出時間 2時間

画像処理ソフト: ステライメージ8PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2019年撮影