M109銀河


おおぐま座のM109銀河

M109銀河は、北斗七星を構成する星の一つ、おおぐま座γ星のすぐ側で輝いている銀河です。 明るい星の側で輝いているため、場所はわかりやすい天体ですが、 銀河自体が淡いため、ファインダーの視野内に入っていてもその存在に気づかないかもしれません。

このM109銀河は、1781年にピエール・メシャンが発見し、後にメシエカタログに追加されたものです。 メシエ天体リストには、M110という天体が登録されていますが、 このM110銀河は20世紀に入ってから天文学者の手によって追加されたもので、解説書によってはメシエカタログに含まれていないこともあります。 そうした書籍の中では、M109銀河がメシエカタログの最後の天体と紹介されています。

天体望遠鏡を使ってM109銀河を観察すると、ぼんやりとした染みのように見えてきますが、背景に溶け込むようではっきりとしません。 少しでも空が明るいと見づらくなり、これがメシエ天体の中でも観察しづらい対象と言われる所以でしょう。 M109銀河の近くで輝くりょうけん座のM106銀河と見比べてみると、 この系外銀河の見づらさがよくわかると思います。

M109銀河をデジタルカメラで撮影すると、ぼんやり輝く核に銀河の腕が巻きついた様子が画面に現れてきます。 銀河中心部は、棒渦巻銀河のような棒状構造を持っていることもわかり、眼視観察とは違った印象を与えてくれます。 しかし淡いことには変わりないので、できるだけ条件のよい星空の下で、じっくりと時間をかけて撮影したい天体です。


Imaging information

撮影機材: タカハシMT-200, タカハシNJPTemma2赤道儀

使用カメラ: SBIG ST-2000XM, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L:15分×8フレーム, RGB:各10分×2フレーム

画像処理ソフト: ステライメージ7, PhotoshopCC

撮影場所: 岡山県備前市吉永町