Sh2-126

Sh2-126,LBN437,Lacerta

Sh2-126

Takayuki Yoshida

Sh2-126 鷹の爪星雲

明るい望遠レンズを使って、とかげ座の淡い星雲 Sh2-126を撮影しました。 Sh2-126は、星雲の形から「鷹の爪星雲」と呼ばれている輝線星雲です。 Sh2-126は、銀塩フィルム時代から知られており、 実際に何度かコダックE200フィルムで撮影したことがありますが、 赤い星雲がぼんやりと写るだけで、星雲のはっきりした形まで写し出すことができませんでした。 デジタル機材になってからは、赤い星雲の形だけでなく、灰色をした淡い部分(LBN437)も写るようになりました。

Sh2-126が位置する「とかげ座」は、天頂付近で輝きますが、あまり知られていない星座です。 実際、とかげ座という存在自体知らない天文ファンも多く、 私もペンタックス100SDUFを使って、星雲星団を撮影するようになって初めて知りました。

とかげ座は、夏の終わりから秋にかけて見頃を迎える星座で、 はくちょう座、ケフェウス座、カシオペア座、ペガスス座、アンドロメダ座に囲まれるように存在しています。 とかげ座を構成する星々は、暗い恒星ばかりで、最も明るいα星でも3.8等級です。 星座を探すときは、縦にギザギザ(W字状)に並んだ5つの星を探しましょう。 暗い星ばかりなので、都会では全く見えず、星空の綺麗な郊外で探す必要があります。

ちなみに、とかげ座の英名は「Lacerta(ラセルタ)」です。 Lacertaは、天体写真ファンに人気のスタンドアローンオートガイダー「M-GEN」のメーカー名にもなっています。 M-GENのコントローラーをよく見ると、とかげのマークが付けられています。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ビクセンSXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ

冷却CCD用LRGBフィルター:Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=5分×14枚、RGB=各5分×2枚

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2020年撮影