M78 と バーナードループ

LDN1622,Sh2-276,NGC2112,M78

オリオン座 バーナードループ

Takayuki Yoshida

M78 と バーナードループ

バーナードループは、オリオン座を包み込むように輝いている巨大な散光星雲です。 非常に大きな星雲の広がりで、有名なオリオン大星雲や馬頭星雲等もこの星雲の一部と考えられています。 残念ながら肉眼では見えないため、この大きな星雲を観望することはできません。 しかし写真写りは良好で、天体写真ファンの被写体として人気があります。 上の写真は、バーナードループの中でも特に明るいM78付近を撮影した作品です。

写真中央右寄りに写っている青っぽい星雲が、M78です。 M78星雲は1780年にフランスのピエール=メシャンによって発見され、 メシエ天体に加えられました。 反射星雲としては比較的明るい星雲で、星空が綺麗な場所なら双眼鏡や天体望遠鏡でその姿を確認することができます。 ウルトラマンの故郷としても有名です。

作例の撮影には、口径55ミリの小型屈折望遠鏡「ビクセン FL55SS」とデジタル一眼レフカメラを用いました。 FL55SSはコンパクトな天体望遠鏡ですが、フラットナーレンズやレデューサーレンズが充実しており、 本格的な天体撮影が楽しめる鏡筒です。 今回はレデューサーHDキット for FL55SSを使用し、焦点距離237ミリ(F4.3)で撮影しました。

赤道儀はユニテックSWAT-350 V-specを用いました。 SWAT-350 V-specは追尾精度が優れているので、ノータッチ追尾で撮影でも星は全て点像を保っていました。 FL55SS、SWAT-350とどちらもコンパクトな機材で、オートガイダーの設定も不要だったため、 暗くなってからでも素早く設置して、撮影に取り掛かれました。 天候が不安定な日でも撮影しようという気にさせてくれる組み合わせだと思います。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン FL55SS、フラットナーHD for FL55SS+レデューサーHD5.5 使用

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ユニテック SWAT-350 V-specにてノータッチ追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO3200、RAWモード

露出時間:180秒×16コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2019年撮影