馬頭星雲
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馬頭星雲 IC434
馬頭星雲はオリオン座に位置する暗黒星雲です。 通常、暗黒星雲は自ら光を放たないため観測や撮影が難しい天体ですが、 馬頭星雲の場合は背後で散光星雲IC434が明るく輝いているため、その一部がシルエットとして浮かび上がって見えます。 その名の通り、星雲の形は馬の首を思わせ、宇宙の神秘を強く感じさせてくれる存在です。
馬頭星雲を初めて知ったのは、小学生の頃に買ってもらった天文図鑑でした。 掲載されていた写真はモノクロで、IC434が赤く輝くことも、馬頭星雲が暗黒星雲であることも当時は知りませんでしたが、 その印象的な形に心を奪われ、長い時間ページを眺めていた記憶があります。
ビクセンの8センチ屈折望遠鏡(Newポラリス80L)を手に入れた際にも、ぜひ撮影してみたい対象として、冬になると最初に望遠鏡を向けたのがこの馬頭星雲でした。当時も都市部に住んでいましたが、現在ほど光害は深刻ではなく、市街地の中でも銀塩フィルムでかろうじてその姿を写し取ることができました。 子供ながらに大きな喜びを感じたことを今でも覚えています。
その後、車を運転できるようになってからは、ミザール製の13センチ反射望遠鏡を郊外へ持ち出し、冬になるたびに馬頭星雲を撮影してきました。
今回の作品は、高橋製作所の口径16センチの反射望遠鏡「タカハシ ε-160ED(口径160mm)」とモノクロ冷却CMOSカメラを使用して撮影したものです。 リモート環境での撮影となり、かつてに比べれば撮影そのものの苦労は少なくなりましたが、恵まれた環境のおかげで良好な結果を得ることができました。 今回は周囲の淡い構造を過度に強調せず、馬頭星雲本来のスタンダードな美しさを意識して仕上げています。 画像処理を進めるうちに、かつて夢中で撮影していた頃の記憶がよみがえり、思わず笑みがこぼれるような楽しい時間となりました。
Imaging information
撮影鏡筒:タカハシε-160ED
望遠鏡架台:ビクセンAXD赤道儀
撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ
カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度
露出時間:L=300秒×30枚、R=G=B=各300秒X20枚、Chroma社フィルター使用
画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ10、Affinity Photo2
撮影場所:N.N.R.V.リモート観測所、2026年2月撮影


