M98


かみのけ座のM98銀河

M98は、かみのけ座に属する系外銀河で、おとめ座との境界付近で輝いています。 M98銀河は、昔は、おとめ座銀河団に属する銀河と言われていましたが、 地球からの距離が他の系外銀河と異なるため、たまたま同じ方向に見えているだけと考えられています。 地球からM98銀河までの距離は約6000万光年です。

M98の明るさは10等級と暗く、双眼鏡やファインダーでは確認することも難しい天体です。 口径20センチの天体望遠鏡で観察すると、広がったシミのように見えますが、 夜空の透明度が悪いと、コントラストが低くなるため存在に気づかないかもしれません。 上の写真では銀河を走る暗黒帯が写っていますが、口径30センチの望遠鏡でも暗黒帯を確認することができませんでした。 天体観望の際には、 M98銀河の近くで輝いているM99銀河M100銀河と見比べると、 銀河の形の違いがわかって興味深いと思います。

このM98銀河の写真は、口径30センチの望遠鏡と35ミリフルサイズ冷却CCDカメラで撮影した作品です。 撮影素子の面積が大きいため、銀河の詳細写真としては迫力不足ですが、 暗い宇宙を背景にして、ボンヤリと浮かぶM98銀河の様子を表現できたと思います。


Imaging information

撮影機材: タカハシMewlon-300CR(レデューサー使用)、 タカハシNJP Temma2赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=90分(15分×6)、Red=10分、Green=10分、Blue=10分
総露出時間 2時間

画像処理ソフト: ステライメージ7, PhotoshopCC

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2013年撮影