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ふたご座の散開星団 M35

M35 & NGC2158

ふたご座の散開星団 M35

Takayuki Yoshida

ふたご座の散開星団 M35

M35は、ふたご座のカストルの足元で輝いている大きな散開星団です。 M35の光度は5等級で、夜空の暗い場所で眺めると、肉眼でもぼんやりとその存在がわかります。 双眼鏡を使えば、微恒星が集まっている様子がよくわかり、美しい眺めです。 双眼鏡や天体望遠鏡の低倍率では、M35のすぐ右下で輝いているNGC2158星団も同一視野に入ってきます。 NGC2158は、集中度が高い散開星団ですので、M35と星の集まっている様子を見比べると興味深いです。

M35は、スイスの天文学者シェゾーによって、1746年に発見されました。 メシエカタログで有名なメシエは、1764年にM35を観測して記録を残しています。 その他にも、天王星を発見したイギリスの天文学者ウィリアム・ハーシェルもこの天体の観測記録を付けています。

天体写真の世界では、散開星団はどちらかと言うと地味な存在で、 それだけを構図に入れて撮影されることが少ない天体です。 しかし、M35の場合はすぐ側にNGC2158という小さな星団が位置していることもあり、 写真栄えする対象だと思います。

今回は焦点距離700mm前後の望遠鏡の直焦点でM35を撮影しましたが、 200ミリ前後のカメラレンズを使えば、付近に広がる星雲も一緒に構図に入れることができます。 200ミリレンズとデジタル一眼レフカメラで撮影した、ふたご座の星雲星団の写真をギャラリーに掲載していますので、 そちらも是非ご覧ください。


Imaging information

撮影光学系:タカハシTOA130S(TOA35レデューサー使用)

赤道儀:タカハシNJPTemma2赤道儀にて追尾

使用カメラ:SBIG STL-11000M 冷却CCDカメラ, Astronomik Type2C LRGB filters使用

露出時間:L=60分(10分×6),R=10min, G=10min, B=10min(RGB:2x2binned)

画像処理ソフト:Stellaimage7, PhotoshopCC

撮影場所:岡山県備前市吉永町八塔寺にて撮影