へびつかい座の暗黒星雲
Barnard72,Pipe Nebula in the Ophiuchus constellation
Takayuki Yoshida
へびつかい座のS字状暗黒星雲付近
へびつかい座θ星(写真中央右よりの明るい星)付近に存在する暗黒星雲をメインの被写体にした作品です。 この写真でまず目を引くのは、写真中央を斜めに横切る大きな暗黒星雲です。 この暗黒星雲は、パイプ状に見えることから「パイプ状暗黒星雲」と呼ばれています。
へびつかい座θ星のすぐ上には、有名な「S字状暗黒星雲」が写っています。 S字状暗黒星雲は、パイプ状暗黒星雲と比べて大きくはありませんが、形が特徴的なので、この写真でもよくわかります。 しかし肉眼では確認しづらい天体で、天体望遠鏡を使っても、S字の形をはっきりと識別することは困難です。
この写真は、明るい中望遠レンズと冷却CCDカメラを使って撮影を行いました。 いて座付近の天体と同様に、へびつかい座の暗黒星雲は南中高度が低いので、 透明度が高い夜を選んで撮影を行いました。 画像処理の工程でも、色カブリを補正することに重点を置いて仕上げました。
散光星雲に比べるとマイナーなイメージの暗黒星雲ですが、構図を工夫すれば面白い作品になりそうです。 暗黒星雲は、天体用にフィルター換装を行っていないデジタルカメラでも写りますので、 澄んだ星空に出会ったら、お持ちのカメラ機材で撮影されてみてはいかがでしょうか。
Imaging information
撮影光学系:キヤノンEF200mm F2L IS USM
赤道儀:ビクセンSXP赤道儀にて追尾
使用カメラ:SBIG STL-11000M 冷却CCDカメラ, Astronomik Filters使用
露出時間:L=40分(5分×8),R=G=B=各5分(2x2ビニング)
画像処理ソフト:Stellaimage7, PhotoshopCC
撮影場所:奈良県十津川村にて撮影