りゅう座のNGC5907銀河


りゅう座のNGC5907銀河

NGC5907銀河は、北天のりゅう座で輝いている系外銀河です。 さそり座が南中を迎える頃に見頃を迎えるので、春の銀河というよりも夏の系外銀河と言えます。 銀河長辺側の視直径は、14分程度もある大きい銀河ですが、 明るさが11等級と暗いため、口径の小さな望遠鏡で確認するのは難しい天体です。 口径20センチ以上の天体望遠鏡を使って、空の暗い場所で観望すると、 細長い銀河の形が見えるようになります。

デジタルカメラを使ってNGC5907を撮影すると、 かみのけ座のNGC4565銀河に似た、横から見たエッジオン銀河として写ります。 しかし、中央のバルジの膨らみがとても小さいのが特徴で、カミソリのような細い姿がこの銀河の魅力とも言えます。 地球から約5,000万光年離れた先で輝く銀河です。

NGC5907銀河の周りには、恒星流と呼ばれる非常に淡いガスが、ループのように拡がっていることが知られています。 恒星流は、銀河か何かが消滅した時に残された恒星の痕跡だと考えられていますが、正確にはわかっていないようです。 非常に淡いため、残念ながらこの写真では全く写っていませんでした。


Imaging information

撮影機材: タカハシMT-200(パラコア使用)、ヘラクレス赤道儀

使用カメラ: SBIG ST-2000XM、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L:10分×8フレーム、RGB:各10分×2フレーム

画像処理ソフト: ステライメージ6.5、 PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市吉永町、2012年撮影