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オリオン座 M78星雲

Messier 78, NGC 2068, Reflection nebula in the constellation Orion

オリオン座 M78星雲

Takayuki Yoshida

オリオン座 M78星雲

M78星雲は、オリオン座三ツ星の左上で輝いている反射星雲です。 M78は、1780年にフランスのピエール=メシャンによって発見され、メシエ天体に加えられました。 M78星雲の見かけの明るさは8等級なので、肉眼では見えません。 口径5センチ程度の双眼鏡を使用すれば、星雲の位置は確認できますが、 星雲らしい姿を楽しむには、口径の大きな双眼鏡や天体望遠鏡を使いたいところです。 M78の星雲部分は淡く、夜空の状態によって見え方が大きく異なります。 南方向が暗い場所で観望すると、背景とのコントラストが増し、星雲の形が見えやすくなるでしょう。

M78は天体写真の被写体として人気があり、星雲単体のクローズアップ写真だけでなく、 焦点距離300ミリから500ミリ前後を使って、バーナードループと共に写されています。 M78星雲だけを狙うときは、35ミリ換算で焦点距離1000ミリ以上の光学系が適しています。 1000ミリ以上となると、F値が暗い望遠鏡が多いので、1枚当たりの露光時間を長めにして、 枚数も多く撮影しておくと、滑らかな作品に仕上がるでしょう。

今回は焦点距離約1200ミリの屈折式天体望遠鏡に、セミ中判サイズの冷却CCDカメラを取り付け、M78星雲を撮影しました。 上に展示しているのはほぼノートリミングの写真ですが、M78の周囲を走る暗黒帯を含め、星雲全体がバランスよく収まりました。 左上には、オリオン座バーナードループの端の部分が赤く写り、色合いも豊富に仕上がったと思います。

M78星雲といえば、日本ではウルトラマンの故郷として知られていて、星空観望会でもしばしば話に出てきます。 天文学の分野では、2004年1月23日にアマチュア天文家J.W.マクネイル氏が小型の星雲を発見し、天文ファンの注目を集めたこともあります。 同じオリオン座で輝く星雲のM42や馬頭星雲と比べると、M78は地味な天体ですが、興味が尽きない魅力的な星雲だと感じています。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ FS-152、専用フラットナー使用(焦点距離1223mm、F8)

赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾

使用カメラ:FLI製 PL-16803 冷却CCDカメラ、Astrodon LRGBフィルター

露出時間: L画像=120分(15分×8)、Red画像=Green画像=Blue画像=10分×2
総露出時間 3時間

画像処理ソフト: ステライメージ8PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2019年撮影