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さそり座の彼岸花星雲と出目金星雲

M6,M7,NGC6357,NGC6334

彼岸花星雲と出目金星雲

Takayuki Yoshida

彼岸花星雲と出目金星雲、散開星団M6とM7

さそり座の尾っぽの近くで輝いているのが、彼岸花星雲(NGC6357)と出目金星雲(NGC6334)です。 写真右よりの上側の赤い星雲が、彼岸花星雲。その右下の赤い星雲が出目金星雲です。 どちらも写真からわかるように、独特の形をした散光星雲で、天体写真ファンに人気がある被写体です。 残念ながら日本からは南中高度が低く、クリアに写すことは至難の技で、 できるだけ南方向の開けた観測地で撮影することが大切です。

この二つの散光星雲の他にも、二つのメシエ天体が写真に写っています。一つは彼岸花星雲の左に位置する散開星団M6です。 もう一つは、そのM6の左下に写っている星の集まり、M7散開星団です。 M6、M7共に明るい散開星団ですので、双眼鏡でその存在や形が容易にわかります。 さそり座の全景が見られるような星空の綺麗な場所に出かけたら、是非双眼鏡を使って見比べてみてください。

ところで、M6散開星団の右側に、ぼんやりとした赤い星雲が写っていますが、 これはSh2-13という番号が付けられた淡い星雲です。 肉眼では見えませんが、写真写りは良好なので、赤の感度が高いフィルムを使って写してみると面白いでしょう。

※デジタル一眼レフカメラで撮影した彼岸花星雲と出目金星雲の写真もギャラリーに載せています。


Imaging information

撮影機材: CanonNewFD400mmF2.8レンズ,タカハシEM200赤道儀

使用カメラ: ペンタックス67 銀塩カメラ

露出時間: 15分、エクタロームE100S(+1増感)

画像処理ソフト: PhotoshopCS

撮影場所: 奈良県野迫川村鶴姫公園,2004年撮影