アンタレス付近のカラフル星雲

Rho Ophiuchi cloud complex,M4

The Rho Ophiuchi cloud complex

Takayuki Yoshida

アンタレス付近のカラフル星雲、Rho Ophiuchi cloud complex

さそり座とへびつかい座の境界に広がっているカラフルな星雲群を撮影した写真です。 写真左下に写っているオレンジ色の星が、さそり座α星のアンタレス、 写真上部の青い星雲の中で輝く星が、へびつかい座ρ星です。 日本では「アンタレス付近」の愛称で、広く知られている対象ですが、 海外では、「Rho Ophiuchi Nebula Complex(へびつかい座のρ星付近の星雲)」と呼ばれることが多いようです。

撮影には、ビクセンの天体撮影用屈折望遠鏡「VSD100 F3.8」と、ニコンD810Aを使用しました。 VSD100F3.8には、焦点距離を短くするレデューサーレンズを取り付け、焦点距離約300ミリで撮影を行いました。 300ミリレンズの画角ですと、アンタレス付近の星雲が、構図内にバランスよく収まってくれます。

天文ショップでフィルター改造した天体撮影用カメラと比べると、ニコンD810Aは輝星周りのゴースト発生が少なく、 輝星周りのゴーストの補正処理をする必要がありませんでした。 また、他の天体改造カメラと比べると、黄色と青い星雲の写りが良好に感じられました。 アンタレス付近は、様々な機材を使って毎年のように写していますが、 今回はコントラストを高めに処理して、メリハリある作品に仕上げました。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8、レデューサー使用

撮影カメラ:ニコンD810A

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀、M-GENにてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1250、RAWモード

露出時間:300秒×16コマ

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 奈良県五條市大塔町、2017年撮影