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M65とM66 しし座の系外銀河

M65、M66

M65とM66 しし座の系外銀河

Takayuki Yoshida

M65とM66 しし座の系外銀河

M65とM66は、しし座に位置する系外銀河で、写真の右側の黄色かかった天体がM65銀河、左側がM66銀河です。 明るさは、M65に比べてM66の方が若干明るく、実視等級はM65が9.2等、M66が8.9等です。 双眼鏡でもM66の方が見やすく、M66は暗く感じられます。 どちらの銀河も、地球から約3500万光年離れた宇宙で輝いている天体です。

この写真には写っていませんが、二つの銀河の約1度北には、NGC3628銀河が存在しています。 NGC3628銀河は、M65とM66に比べて暗いため、双眼鏡では見えないことが多いのですが、 天体写真では一緒に撮影されることが多い系外銀河です。 この三つの銀河を合わせて、「しし座のトリオ銀河」などと呼ばれています。

今回は、焦点距離約2500ミリの望遠鏡に、35ミリフルサイズの冷却CCDカメラを取り付けて撮影しました。 普段は、トリオ銀河を一フレームに収めて撮影することが多いため、 この二つの銀河をペアで撮影したのは初めてでしたが、二つの銀河の色合いや形の異なりがよくわかり、 新鮮に感じられますね。

ところで、少し構図が南北からずれていますが、これはオフアキシスガイダーにガイド星を入れるため、 構図を回転させたためです。 春の銀河シーズンは天の川銀河から遠く離れているため、適当なガイド星がなかなか見つからず、 オフアキ撮影の際はガイド星探しに一苦労します。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS

赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astrodon LRGB Gen2 I-Series Tru-Balance フィルター

露出時間: L画像=120分(15分×8)、Red画像=10分×2、Green画像=10分×2、Blue画像=10分×2
総露出時間 2時間

画像処理ソフト: ステライメージ8PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2020年撮影