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クリスマスツリー星団とコーン星雲

Cone Nebula, Christmas Tree Cluster, NGC2264

クリスマスツリー星団とコーン星雲

Takayuki Yoshida

いっかくじゅう座のクリスマスツリー星団とコーン星雲

いっかくじゅう座で輝くコーン星雲からクリスマスツリー星団周辺の写真です。 コーン星雲は、ハッブル宇宙望遠鏡のクローズアップ写真でもよく知られたガス星雲で、 この写真では中央左寄りに写っています。 コーン星雲は、錐状に尖った円錐のような形をしていて、 拡大された写真では暗黒帯に赤い星雲がまとわりついているように見えます。

写真中央左の明るい星はいっかくじゅう座のS星で、 この星雲を写すときにはよい目印になります。 このS星から南側にかけては明るい星が集まっていて、 その様がクリスマスツリーのように見えることから「クリスマスツリー星団」の愛称があります。 ただし、星の形からクリスマスツリーの形を連想するには、写真を逆向きにして鑑賞する必要があります。

いっかくじゅう座のこの付近には、淡いガスが広範囲に広がっていて、 今回使用した焦点距離500ミリの天体望遠鏡と35ミリフルサイズ冷却CCDカメラでも画角からはみ出てしまっています。 赤い星雲の間に暗黒帯も所々に存在していて、画面右よりのV字型の暗黒帯は興味深い形をしています。 この付近を上手く切り取って撮影できれば、印象的な写真になりそうです。

いっかくじゅう座は、一般にはあまり知られていない星座ですが、 色合い豊かな大きな星雲が輝いていることで天体写真ファンによく知られています。 この写真の少し南には、有名な「ばら星雲」も輝いています。 100ミリ前後の望遠レンズを使えば、両方の天体を同じ写野に収めることができます。 残念ながら肉眼では見えませんが、いろいろな焦点距離のレンズで撮影を楽しめるのが、この星域の面白いところです。
※コーン星雲とばら星雲の位置関係は、銀塩フィルムで撮影したコーン星雲の写真が参考になると思います。


Imaging information

撮影機材: タカハシε180, タカハシNJP Temma2 赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=80分(10分x8),R=10minx2, G=10minx2, B=10minx2で撮影
総露出時間 2時間20分

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2013年撮影