亜鈴星雲 M27


亜鈴星雲、亜鈴状星雲

夏の星座である「こぎつね座」は、はくちょう座のすぐ南にある星座ですが、 とても小さいため、一般的にはあまり知られていない星座です。 しかし、そんな小さな星座の中に、とても有名な惑星状星雲「亜鈴星雲」が輝いているため、天文ファンの間にとってはお馴染みの星座です。。

亜鈴星雲は、その姿が筋肉トレーニングに使う鉄アレイの姿に似ていることから、 この愛称が付けられました。 確かに上の写真中央部の明るいところに注目すると、全体の形状が鉄アレイのようにも見えます。 個人的には、かじられたリンゴの芯のようにも見えますが、いかがでしょうか。

亜鈴星雲は、最初に見つけられた惑星状星雲です。 全天で最も美しいと言われている惑星状星雲で、日本では天頂付近に上りつめるので、最高の条件で観望・撮影が可能です。 視直径も大きいので、少し大きめの双眼鏡で覗いてもその姿は確認できます。 是非、天体望遠鏡を覗く機会があれば、亜鈴星雲の形を確認してみてください。

この亜鈴星雲の写真は、2等星がやっと見える自宅から撮影しました。 光害の影響が大きいため、通常の赤外カットフィルターだけでは、コントラストが低くなってしまいます。 そこで、以前購入していた撮影用ネビュラフィルターを冷却CCDカメラに取り付け、撮影を行いました。 それでも背景が明るいため、画像処理時はノイズに悩まされましたが、 なんとか高輝度部分から淡い部分まで表現することができました。 この写真は、タカハシBRC-250と冷却CCDカメラを使った初めての一枚です。

ギャラリーには、焦点距離のより長いミューロン300望遠鏡で撮影した、亜鈴星雲も掲載しています。 また、小亜鈴星雲と呼ばれる亜鈴星雲と似た、M76という惑星状星雲の写真もご紹介しています。 M76も興味深い惑星状星雲ですので、M27と見比べてみてはいかがでしょう。


Imaging information

撮影機材: タカハシBRC250,タカハシEM200赤道儀

使用カメラ: SBIG製ST2000XM, IDAS NBN-PVフィルター,Astronomik Type2C RGBフィルター

露出時間: L:20分×8, RGB:各3分×8

画像処理ソフト: Stellaimage5, PhotoshopCS

撮影場所: 兵庫県宝塚市,2007年撮影

月刊天文入選作品