M16


M16

M16は、へび座とたて座の境界上にある散光星雲&散開星団です。 中心部の星団部分は明るいので、空の条件が良ければ小さな双眼鏡で見ることが出来ます。 しかし外側の大きな広がりは淡いので、肉眼では見ることはできません。 写真で写して初めてわかる淡い広がりです。

M16は、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)がその中心部をカメラで捕らえてから一気に有名になった天体です。 M16内部に見える星間ガスの不気味な柱を覚えている方も多いでしょう。 この写真にも小さく写っていますが、やはり分解能不足です。もっと大型の望遠鏡で捕らえてみたい星域です。

このM16は中心部と周辺部の輝度差が大きいので、処理がなかなか難しい天体です。 今回はF値の明るいタカハシε-160で撮影したので、その特性を生かして、星雲の淡い部分に重点を置いて仕上げました。 薄雲がかかってしまっため、星が滲みましたが、悪い条件の割には思ったより写ったと思います。 この対象は、暗めの光学系で中心部をクローズアップしたりと、いろいろな方法で撮影を楽しめそうな天体ですね。


Imaging information

撮影機材: タカハシε-160,MS5赤道儀

使用カメラ: SBIG ST2000XM, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L:10分×8, RGB:各10分×2

画像処理ソフト: Stellaimage5, PhotoshopCS

撮影場所: 奈良県十津川村,2006年撮影

月刊天文入選作品