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ポンス・ブルックス彗星(12P) 2024年4月9日

12P /Pons-Brooks

ポンス・ブルックス彗星(12P)2024年4月9日

Takayuki Yoshida

ポンス・ブルックス彗星(12P) 2024年4月9日の様子

ポンス・ブルックス彗星(12P)は、約70年で太陽を一周する周期彗星です。 1812年にフランスの天文学者ポン(ス)によって発見されました。 その後、1883年にアメリカの天文学者ブルックスによって再発見され、 ポン(ス)が発見した彗星と同一であることが確認されて、2人の名前を冠した周期彗星として登録されました。

ポンス・ブルックス彗星(12P)は、2024年4月20日に近日点(太陽に最も近づく時)を迎え、2024年6月2日から3日にかけて地球に近づく予定です。 4月上旬に4等級まで明るくなると予想されていて、2024年に注目されている彗星の一つで、日本から条件良く観察できるのは、3月上旬から4月上旬にかけての時期です。

写真は4月9日の19時40分ごろに撮影したポンス・ブルックス彗星(12P)の様子です。 夕方まで曇り空でほとんど諦めていましたが、日没後に一気に晴れ間が広がり、彗星を撮影することができました。 前回は天体望遠鏡と天体撮影用カメラで撮影しましたが、今回はカメラレンズとデジタル一眼で撮影しました。 画像処理を施していない1枚画像のため、最近の彗星の写真と比べると迫力に欠けますが、双眼鏡で見たイメージに近く、 雰囲気が感じられて好きな一枚です。

現地で口径41センチのドブソニアンと4センチの双眼鏡で観望しましたが、3月に見たときよりも彗星の核が明るくなっており、 尾も容易に確認できました。近日点に向けて明るくなっているのですね。これからどこまで明るくなるのかが楽しみです。


Imaging information

撮影光学系:キヤノンEF200mm F2L IS USMレンズ

撮影カメラ:キヤノンEOS 6D デジタル一眼レフカメラ

赤道儀:タカハシ P-2赤道儀

カメラの設定:ISO800、F2.5

露出時間:20秒(恒星時追尾)

画像処理ソフト: PhotoshopCC 2020

撮影場所: 岡山県備前市吉永町、2024年4月9日撮影