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さんかく座の渦巻き銀河 M33

The Triangulum Galaxy, M33, NGC604

さんかく座の渦巻き銀河 M33

Takayuki Yoshida

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さんかく座の渦巻き銀河 M33

さんかく座のM33銀河は、秋に見頃を迎える渦巻きの綺麗な系外銀河です。 有名なアンドロメダ大銀河の近くで輝いている銀河で、さんかく座という小さな星座に位置しています。 M33銀河は、さんかく座から探すよりも、アンドロメダ座のβ星から見つける方が探しやすいでしょう。 アンドロメダ座β星をはさんで、アンドロメダ銀河とは、ほぼ対称の位置にあるので、 それに見当を付けて探すと見つけやすいと思います。

M33銀河の明るさは、6等級と暗いので、肉眼で確認するのは難しいと思います。 「最高の星空なら、M33銀河が肉眼で見える」という話をちらほら聞きますが、 私は未だはっきりと確認できた試しがありません(なんとなく見えているような気がしたことはありますが)。

双眼鏡なら、ぼんやりとした光のシミのように見えてきます。 淡い天体なので、天体望遠鏡を使っても見え方はそれほど向上しません。 写真のような腕が巻き付く様子を見ようと思えば、口径の非常に大きな天体望遠鏡が必要だと思います。

肉眼では見栄えがしないM33銀河ですが、写真に撮ると青っぽい腕の中に赤い散光星雲が写ってきて、 大変美しい姿で目を楽しませてくれます。 写真右上に写っているピンク色の散光星雲には、NGC604というナンバーが付けられています。 M33銀河は、地球から約250万光年離れていますが、 これだけ離れているにも関わらず、この大きさで写るのですから、非常に大きな星雲であることが想像できます。 このNGC604は、オリオン大星雲の約40〜50倍の大きさがあると考えられています。

このM33の写真は、口径30センチの天体望遠鏡とフルサイズの冷却CCDカメラを使って撮影しました。 時折強い風が吹くコンディションだったため、残念ながらガイドが暴れてしまいました。 そこで、撮影した画像の中から比較的ズレが少ないコマを選び、それを使って画像処理した作品です。 M33の巻き付く腕が画面一杯に広がり、迫力ある写真になってくれました。 サイズの大きなM33の画像も載せていますので、そちらも是非ご覧下さい。


Imaging information

撮影機材: タカハシミューロン300CR, ペンタックス MS-5赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, レデューサー使用, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=90分(15分x6),R=10minx2, G=10minx2, B=10minx2で撮影
総露出時間 2時間30分

画像処理ソフト: ステライメージ7, PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺