かに星雲

Crab Nebula, M1, NGC1952

かに星雲

Takayuki Yoshida

かに星雲, M1

かに星雲は、1054年に出現した超新星の残骸で、おうし座の中で輝いています。 メシエ天体の1番となる「M1」の番号を付けられたかに星雲は、光度が8等級と比較的明るく、 天体望遠鏡を使うとぼんやりとした小さな雲のように見えてきます。 しかし、かに星雲の中を走るフィラメント構造まで確認しようと思えば、相当口径が大きな望遠鏡が必要でしょう。

かに星雲の元となった超新星爆発は相当明るかったようで、鎌倉時代の詩人、藤原定家が日記にその様子を記しています。 中国でも記録に残されていて、超新星出現時の明るさは金星ほどだったと考えられています。 おうし座にマイナス4等級の明るい星が突然現れたら、びっくりするのも無理はないでしょう。

このM1の写真は、口径30センチの天体望遠鏡とフルサイズの冷却CCDカメラを使って撮影しました。 時折強い風が吹くコンディションだったため、残念ながらガイドが暴れてしまい、星が若干流れてしまいました。 そこで、ステライメージ7に新しく搭載されたガイドエラー補正コマンドを使用して、ガイドズレを補正しています。 このコマンドを使用すると、星像が固くなってしまいますが、お陰で星のズレが目立たなくなりました。


Imaging information

撮影機材: タカハシミューロン300CR, ペンタックス MS-5赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, レデューサー使用, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=60分(15分x4),R=10minx1, G=10minx1, B=10minx1で撮影
総露出時間 1時間30分

画像処理ソフト: ステライメージ7, PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺