まゆ星雲

Cocoon Nebula

まゆ星雲

Takayuki Yoshida

まゆ星雲 IC5146

はくちょう座の北の外れに存在している「まゆ星雲」の写真です。 はくちょう座と言えば、北アメリカ星雲や、 網状星雲が有名ですが、 まゆ星雲も小さいながら輝線星雲と反射星雲が入り交じっていて、美しい天体です。 少し広めの写野を持つ光学系を使用して、まゆ星雲周辺に走る暗黒帯を撮影するのも面白いと思います。

まゆ星雲の写真は、RCOS社の20インチ(50センチ)の大型天体望遠鏡一式と、 冷却CCDカメラで撮影しました。 天体望遠鏡は、アメリカのニューメキシコ州にある天文台に設置されていて、 日本からインターネットを介してリモート撮影を行いました。 アメリカのニューメキシコ州にある天文台は、光害が少なく、標高も2000m以上の高地にあるため、 抜群の透明度です。 そのため、アメリカの天体写真ファンが、いくつかの天文台を建築されています。

撮影自体は、アメリカ人の天文ファンのサポートのお陰で終始楽しく行えましたが、 サマータイムのことを勘違いしていたため、撮影時間を少し無駄にしてしまったのは残念でした。 淡い部分のSN比を考えると、もう少し露出時間が欲しかったところですがこればかりは仕方がありません。 貴重な機会を与えてくれた友人には、大変感謝しています。

総露出時間は稼げなかったものの、丁寧に画像処理することで、まゆ星雲の淡い広がり部分まで表現してみました。 口径50センチ望遠鏡の集光力は絶大で、暗い星までよく写ってくれました。 また、フルサイズ冷却CCDカメラ、STL11000Mの画角の広さと、Paramount ME赤道儀の追尾精度の良さにも驚きました。


Imaging information

撮影光学系:RCOS社製 20inch(50cm) RC-Telescope

赤道儀:Software Bisque Paramount ME

使用カメラ:SBIG STL-11000M、SBIG LRGB filters

露出時間:L=90分(15分×6),R=15min, G=9min, B=18min(RGB:2x2binned)

画像処理ソフト: Stellaimage5、 PhotoshopCS

撮影場所: アメリカ合衆国ニューメキシコ州マイヒル,2006年撮影

天文ガイド入選作品