洞窟星雲

Cave Nebula, Sh2-155

洞窟星雲

Takayuki Yoshida

洞窟星雲, Sh2-155

洞窟星雲は、ケフェウス座の東部に広がる小さな散光星雲です。見かけの大きさは14分四方程度で、星雲の形が洞窟のように見えることから こう呼ばれています。シャープレスの番号はSh2-155が付けられていて、海外でも「Cave Nebula」と呼ばれている星雲です。

あまり写されることが少ない星雲ですが、撮影後に画像処理してみると洞窟星雲の周りにも淡い星雲が広がっていることがわかりました。 特に洞窟星雲右下の部分には、青っぽく輝く星雲が存在していて、複雑な形状をしています。 また洞窟星雲の洞窟の穴部分からは、左方向に流れるような非常に淡い星雲が写っています。星間ガスが豊富な領域なのでしょう。

この付近には、面白い形をした暗黒星雲も存在していました。洞窟星雲左には、蛇のような形をした暗黒星雲が写っています。 とても小さな星雲ですが、この部分だけクローズアップ撮影してみても面白そうです。 先ほどの青い星雲も長焦点望遠鏡で撮影すると、また違った構造が見えてくるかもしれません。 洞窟星雲だけに目が向きがちですが、こうした周りの星雲もカラフルで魅力がありますね。


Imaging information

撮影機材: タカハシε250, ヘラクレス赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGB filters

露出時間: L=80分(10分×8),R=20min, G=20min, B=20min(RGB:2x2binned)
総露出時間 2時間20分

画像処理ソフト: ステライメージ6, PhotoshopCS

撮影場所: 岡山県吉永町 2008年撮影