アイリス星雲

アイリス星雲 NGC7023

アイリス星雲はケフェウス座に位置する星雲です。 ケフェウス座と言えば、IC1396星雲が天体写真ファンに人気がありますが、 アイリス星雲は、IC1396よりも若干西側に位置しています。 アイリス星雲を撮影するなら、はくちょう座周辺の星雲が撮影適期になる、 夏頃に撮影するのに最適でしょう。 今回は、冷却CCDカメラと、 F値の明るい撮影望遠鏡イプシロン160で撮影しました。

アイリス(Iris)の言葉の意味を辞書で調べてみると「植物のアヤメ」「眼の虹彩」ということのようです。 今回のこのアイリス星雲の愛称は「虹彩」という意味から付けられたのでしょうか。 しかし、星雲の青い色彩を見ていると、花開いたアヤメのようにも見えてきます。

地球からアイリス星雲までの距離は、約1300光年と考えられています。 星間ガスの雲が若い恒星に照らされて、星雲がとても綺麗に輝いています。 中心部以外は非常に淡い星雲ですが、うねるようなガスの流れが見事で美しい姿をしています。 宇宙の造形美を感じる星雲の一つと思います。

なお、アイリス星雲の周辺に広がる淡いガスについては、 デジタル一眼レフカメラで撮影した「アイリス星雲と分子雲」の写真をご覧ください。


Imaging information

撮影機材: タカハシε-160タカハシEM200赤道儀

使用カメラ: SBIG ST2000XM, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L:15分×8, RGB:各10分×2

画像処理ソフト: Stellaimage5, PhotoshopCS

撮影場所: 奈良県,2006年撮影