M57 環状星雲

M57、Ring Nebula

M57 環状星雲

Takayuki Yoshida

環状星雲 M57

M57は、こと座で輝いている惑星状星雲です。 その星雲の形状から、環状星雲(リング星雲)、ドーナツ星雲とも呼ばれ、天文ファンに親しまれています。 M57は恒星が寿命を終えた後、ガスが爆発した名残の姿だと考えられており、 星雲の中心には、15等級の白色矮星が存在しています。 独特の色をした星雲のガスは、白色矮星からの紫外線エネルギーを受けて輝いています。

M57は、同じ夏に見頃を迎える「こぎつね座の亜鈴星雲」と並び、 大変有名な惑星状星雲ですが、視直径が小さいため、低い倍率で見ると恒星と見分けがつきません。 しかし、100倍以上の倍率で見ると、真ん中に穴が空いたドーナツ状に見え、 恒星とは異なる天体であることが容易にわかります。

M57は、表面輝度が高いため、天体望遠鏡を使用すれば、都会の空でもその姿を楽しむことができます。 肉眼で観察すると、リングはモノクロに見えますが、写真に撮るとカラフルな姿で楽しませてくれます。 この写真は、冷却CCDカメラを使って撮影しましたが、 惑星撮影用の機材で動画撮影してみても面白い天体だと思います。


Imaging information

撮影機材:タカハシ Mewlon-250CRSビクセンAXD赤道儀

使用カメラ:SBIG ST2000XM、 Astronomik Type2C LRGBフィルター、SBIG AO-7使用

露出時間: L画像=90秒×10枚、RGB=各90秒×2枚、総露出時間24分

画像処理ソフト: Stellaimage8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町、2018年撮影