Sh2-278付近

リゲル周囲の淡い星雲 Sh2-278

写真右下に大きく写っている星は、オリオン座のβ星リゲルです。 リゲルは、日本では「源氏星」の愛称で知られている青い星で、0.1等級のとても明るい星です。 今回狙ったSh2-278は、リゲルの北に位置する星雲で、ローマ字の「V」を横に寝かせたような形をしています。 Sh2-278は、赤味がかかった星雲ですが、周囲には青っぽい色をした淡い星雲と赤色の星雲が交じり合うように広がっています。

Sh2-278の撮影には、F値の明るい撮影用屈折望遠鏡「ビクセンVSD100」とニコンD810Aを使用しました。 ニコンD810Aは、天体用に改造したキヤノンEOS6Dと比べると、青い星雲の表現力が優れていると感じており、 青っぽい淡いガスの表現力に長けていると思います。 また、天体用に改造したデジタルカメラと比べて、輝星周りのゴーストの発生が少ないため、 リゲルのような明るい星が構図内に入っていても積極的に狙っていけるのが美点です。

この夜の八塔寺は透明度が高く、普段は光害カブリが発生するオリオン下部の星々も綺麗に写ってくれました。 やはり、綺麗な天体写真や星空写真を撮るには、夜空の条件が一番ですね。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8

撮影カメラ:ニコンD810A

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀、M-GENにてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1250、RAWモード

露出時間:360秒×16コマ

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影