網状星雲 NGC6960

Veil Nebula,NGC6960

網状星雲 NGC6960

Takayuki Yoshida

網状星雲 NGC6960

網状星雲は、はくちょう座のε星の近くで輝く天体です。 約2万年前、太陽の25倍もの質量がある恒星が大爆発したときの残骸と考えられています。 星雲は大きく東西に分かれていて、東側には「NGC6992-5」、西側には「NGC6960」の番号が振られています。 上の写真は、西側のNGC6960部分をクローズアップ撮影したものです。

写真の中央で明るく輝く星は、4.2等星のはくちょう座52番星です。 網状星雲を探すときには良い目印になりますが、ゴーストの出やすい天体改造カメラで撮影すると、 恒星の周りに大きなフレアが写り込んでしまい、厄介です。 その点、ニコンD810Aはゴーストの出にくいカメラなので、すっきりと仕上げることができました。

Mewlon-250CRSは、レデューサーと組み合わせてもF値が7.3と暗いため、 予定ではこの倍以上の枚数を撮るつもりでしたが、あいにく撮影当日は夜半まで雲が残り、枚数を稼ぐことができませんでした。 そのため、若干ノイズ感が感じられますが、画像の発色はナチュラルで、 全体として期待していた雰囲気に仕上げることができました。 来年、はくちょう座のシーズンに再び撮影にチャレンジしたい対象です。

なお、本作品は、Mewlon-250CRSとビクセンAXD赤道儀の組み合わせで撮影した初めての写真です。 オフアキシスガイドではなく、ガイド鏡を使ったオートガイドでしたが、 この焦点距離の機材でも問題なく追尾できました。 これからはこの組み合わせで、いろいろな撮影を楽しみたいと思います。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon250CRS、レデューサーCR0.73X使用

撮影カメラ:Nikon D810A

赤道儀:ビクセンAXD赤道儀

追尾方法:miniBORG45ED+M-GENスーパーガイダーにてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランス色温度5700K、ISO1600、RAWモード

露出時間:720秒×4コマ

画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺