干潟星雲と三裂星雲


干潟星雲と三裂星雲

干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)は、夏に見頃を迎える明るい散光星雲で、天文ファンに人気がある被写体です。 夜空の暗い場所なら、小型双眼鏡でも星雲の姿を確認することができ、 大口径の望遠鏡を使えば、星雲の微妙な濃淡も見えてきます。

M8とM20は、明るく、デジカメで写しやすい星雲ですが、日本からは南中高度が低いため、 低空の大気の揺らぎなどを受け、コントラスト良く写しだす事が難しい天体です。 また、夏場は天候が不安定なことも多く、思いの他、撮影チャンスに恵まれません。 この写真も、夏が終わって秋が深まりつつある10月に、西空に傾いたところを撮影しました。

今回の撮影では、ビクセンの明るい短焦点アストログラフ「VSD100F3.8」にレデューサーレンズを取り付け、 焦点距離約300ミリで撮影しました。 レデューサーを付けるとF値が3となり、高性能望遠レンズ並みの明るさになります。 直焦点の時と比べると、若干焦点像は甘くなりますが、写野の一番端でも星像はほぼ真円を保っていました。 広い写野が必要なときには、積極的にレデューサーを使って撮影を楽しみたいと思います。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン VSD100 F3.8鏡筒、0.79×レデューサー使用

撮影カメラ:ニコンD810A

赤道儀:ビクセンSXP赤道儀にて追尾

オートガイダー:MGEN-75GSS(Kowa75mmレンズ+M-GENスーパーガイダー)
にてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランス色温度5700K、ISO800、RAWモード

露出時間:180秒×8コマ

画像処理ソフト: RStacker、ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2015年撮影