わし星雲 M16

Eagle Nebula,IC4703,M16,NGC6611

わし星雲

Takayuki Yoshida

わし星雲 M16

へび座で輝くわし星雲は、夏を代表する天体の一つです。 わし星雲は、散開星団と散光星雲が一緒になった天体ですが、 本来、メシエ番号のM16は、散開星団(NGC6611)に付けられたものということです。 しかし、M16と言えば、散光星雲と星団が一体になったものを想像するのが一般的だと思います

へび座のわし星雲の中心部分は明るいので、双眼鏡でもその存在を確認できます。 わし星雲に双眼鏡を向けると、ボヤッとした星の固まりが見えてきて、他の星とは異なることがわかります。 口径が大きな20倍程度の双眼鏡や天体望遠鏡を用いると、一体に見えていた星が分解され、 散開星団であることがわかりますが、写真のような星雲の広がりを確認することは難しいです。 星雲を肉眼で確認するには、大口径の天体望遠鏡とネビュラフィルター(干渉フィルター)が必要でしょう。

わし星雲の写真写りは良好で、明るい光学系とデジタル一眼レフカメラを使用し、 高感度設定で撮影すれば、十数秒の露光時間でも明るい部分が赤く写し出されます。 わし星雲は、天体写真ファンに人気がある被写体の一つで、夏の天の川が輝く時期になると、 すぐ南で輝くM17とセットでよく写されています。 拡大撮影しても興味深い天体なので、3000ミリ前後の望遠鏡で写されることもあります。 へび座のわし星雲は、様々な種類の光学系で狙える貴重な天体だと思います。

今回は、タカハシMewlon-250CRSを用いて、合成焦点距離約1800ミリで撮影しました。 モノクロ冷却CCDカメラのLRGBカラー合成写真と比べると、デジカメのRGB画像による作品は、 星雲の色合いがピンクかからず、銀塩フィルムで撮影していた頃の色合いのようですね。 コダックエクタクロームE200で撮影した写真を思い出しました。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS、レデューサーCR0.73×使用

撮影カメラ:Astro6D(キヤノンEOS6D フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセンAXD赤道儀にて追尾

カメラの設定:マニュアルWB、ISO1600、RAWモード

露出時間:720秒×4コマ

画像処理ソフト: ステライメージ7、PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市吉永町八塔寺、2016年撮影